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【Vol.2】低学年という存在〜学習編①「集中力について」〜

前回は、「落ち着きがない」「字が汚い」などよくあるお悩みを例に、低学年の子どもの「できない」にはちゃんと理由があるということをご紹介しました。

今回は、学習に関するお悩みの中でもダントツで多い、「家庭学習に集中して取り組めない」というお悩みについて、子ども特有の集中力に焦点をあててお話いたします。


低学年という存在〜学習編①「集中力について」〜

英進館 花まる学習会

まず家庭学習の際に前提として胸に留めておいていただきたいのは、低学年の子どもの集中力は長く続かなくて当たり前ということです。

自分の興味のあるもの、好きなものには、いつまでも飽きずに取り組めるほどの(そして時に周囲の声が全く聞こえなくなるほどの)集中力を発揮する一方で、宿題など与えられた課題に対する集中力は、一般的には3分が限界と言われています。

もちろん個人差はありますが、大人と同等の集中力を求めることは、そもそも無茶なことなのだと心得ておくことで、保護者の方のイライラは少なくなるでしょう。


まずは環境を整える

集中できる時間は3分程度と短いですが、環境さえ整えば、短時間でも質の高い集中力を発揮できます。家庭学習に取り組む前の環境づくりとして、以下のような対策が効果的です。

■勉強する場所は子ども部屋ではなくリビングで

子ども部屋はおもちゃや本などが視界に入り、意識が逸れる可能性が高いです。

■勉強する時はテレビは消す

音や映像があるなかで課題に集中するのは大人でも難しいことです。テレビを消し、机の上も片付けて、「視界に入るのは課題だけ」という環境を心がけましょう。


短く区切って取り組む

環境を整えても、3分程度で集中力の限界はやって来ます。集中力が切れた状態で課題に取り組めば、ケアレスミスや「勉強って嫌なもの」という感覚につながりがちです。

そこで、タイマーをセットしておき3分取り組んだら30秒休憩、などインターバルをとるのもおすすめです。

また単調な反復作業には飽きやすいというのも低学年の特性です。漢字3分→計算3分→漢字の続き3分→計算の続き3分…というように、細かく科目を入れ替えることで飽きを感じにくくなり集中が持続することもあります。

ちなみに、花まる学習会の低学年コースの授業時間は90分。「低学年の子が90分も集中力が続くのですか?」とよく驚かれますが、花まるの授業でも、音読→積み木→音読→タングラム→書き写し→計算→思考力問題…というように、短時間でどんどん課題を切り替えています。飽きる前に次の課題に切り替えることで、高い集中力と「楽しい」という気持ちを保ったまま、あっという間に90分が過ぎていきます。


十分に発散してから取り組む

また、子どもの集中力に大きな影響を及ぼすのは、精神状態です。低学年の子どもは気持ちのムラが大きい時期です。

「遊んでいる途中で勉強の時間になり、遊び足りない」「学校で嫌なことがあった」「きょうだいと喧嘩して怒られた」など、様々な理由で容易に気持ちが浮き沈みします。荒れた気持ちのまま学習に取り組むと集中しにくく、正答率も下がってきます。

宿題に取り組む前に、深呼吸をする、軽く体を動かす、思い切り笑ってみる、など気持ちの切り替えを図ってみてはどうでしょうか。英進館でも、花まる学習会やUPクラス(集団クラス)では、授業冒頭の音読の時間に思い切り声を出して発散することで、その後の集中力を高めています。


集中力を育むために大切なこと

成長するにつれて集中できる時間は少しずつ伸びていきますが、集中力の「質」については、「幼少期」の過ごし方が大きく影響します。幼少期に自分の好きなこと、興味のあることに思う存分に没頭した経験が多ければ多いほど、集中力が高まると言われています。

時間を忘れて、周囲の音も聞こえないくらい熱中して没頭している状態を、「過集中」といいます。スポーツでいうところの「ゾーンに入る」というもので、非常に質の高い集中を発揮している状態です。ブロック遊びや虫取り、鬼ごっこ、など活動の内容は子どもが夢中になれるものならば、なんでも構いません。

ただし延々とゲームやテレビ、というのはおすすめしません。集中というのは脳が能動的になっている状態ですが、ゲームやテレビでは強い刺激にさらされて脳は情報を受け取る一方になり、時に活動を止めてしまうこともあります。テレビやゲームは、しっかり時間を区切って上手に付き合っていきたいですね。


非日常の体験もおすすめ

日常生活のなかで、時間を気にせず子どもの気の済むまで好きなことをやらせてあげる、というのはなかなか難しいことだと思います。休みの日など時間の余裕のある時に意識してみるといいですね。

英進館でも、春夏秋冬などの長期休暇期間に「野外体験合宿」を実施しており、時間を忘れて熱中、没頭できる「非日常の体験」を提供しています。

▲実際の野外体験合宿の様子

例えばたき火を起こして飯盒でお米を炊く場面。

なかなか火が起きず、一生懸命にうちわで仰いだり吹いたりして風を送り続けます。角度を変えてみたり強さを変えてみたり、試行錯誤する表情は真剣そのもの。集中力に加え、諦めずに根気強く取り組む姿勢、課題解決力が育まれます。

低学年の時期は、机について学習することだけでなく、あらゆることが学びであり成長の機会です。貴重なこの時期に、様々な経験をさせてあげたいとの思いで、毎回の合宿企画には工夫を凝らしています。

▲インスタグラムでは、野外体験や合宿に関する情報を発信中。詳しくはこちら>>

今回は、子どもたちの「集中力」に焦点をあて、その特徴と育み方についてご説明しました。次回は「字が汚い」「やり直しをしたがらない」というお悩みに関する記事を公開予定です。

どうぞお楽しみに。

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