【Vol.1】低学年という存在~大人との違い~
「子育てに悩む保護者様へ送るメッセージ」シリーズ開始
今回から、「子育てに悩む保護者様へ送るメッセージ」シリーズがスタートします。日々多くの子どもたちと接する「英進館 花まる学習会」から、子育てに奮闘する保護者の方へ向け、心がスッと軽くなるようなメッセージをお届けします。
低学年という存在~大人との違い~
英進館 花まる学習会
英進館といえば「受験指導」というイメージをお持ちの方が多いかと思います。意外かもしれませんが、実は受験生以外にも多様なコンテンツを提供しており、特に小学校低学年を対象としたコンテンツはご家庭のニーズに合わせて幅広く選べるラインナップをご用意しています。花まる学習会も低学年指導に特化した英進館コンテンツの1つです。
低学年の保護者の方とお話しすると、「毎日同じことで叱っている」「何回言ってもできるようにならなくてイライラする」など、似たようなご相談が多く寄せられます。なかには怒ってばかりの自分を責めて落ち込んでしまう、という保護者の方もいらっしゃいます。
「怒りたくて怒っているわけではないのに…」と口にする保護者様の表情からは、我が子が大事で心配だからこそついつい口うるさくなってしまう、という気持ちが伝わってきます。
これまで多くの保護者の方とお話をしてきて、「どうしてできないの?!」という気持ちが、イライラや心配の原因のひとつであるように感じます。
しかし、低学年の子どもの「できない」には実はちゃんと理由があるのです。
本記事では、その理由の一部をご紹介することで、保護者の方のイライラする気持ちを少しでも軽くすることができたらなと思います。
ーどうしてじっとしていられないの?
お悩み相談のなかでも圧倒的に多いのが「落ち着きがない」というものです。学校の授業参観の後には「授業中の落ち着きのない様子を見て不安になった」というご相談が急増します。
なぜ、低学年の子どもはじっとしていることができないのか。
その理由は子どもの心臓にあります。
子どもの心臓は大人の心臓に比べると筋肉が未発達で、筋収縮だけで体の末端まで血液を届けるには大きな負担がかかってしまいます。そこで体を動かすことで血液の循環を促し、心肺機能を補完しているのです。つまりじっとしていると体内に酸素が十分にいきわたらず、かえって集中できない(頭が働いていない)状態になってしまうとも言えます。
学習中のソワソワには、実は集中力を高める働きもあるのです。
ーどうして字が汚いの?
「こんな字じゃ読めないでしょ!ちゃんと書きなさい!」
「ちゃんと書いてるじゃん!」
と言い合いになった、という経験のある保護者の方も多いのではないでしょうか。
低学年の子どもの字が整わないのには、いくつか理由があります。
まずは手先の巧緻性。巧緻性とは、体を思い通りに巧みに動かすことです。例えばお子さまの運動会や発表会など、ダンスがなんだかぎこちなくて微笑ましい、という場面に遭遇したことがあるのではないでしょうか。
低学年は自分の体を自分の思った通りに動かすことがまだ難しい時期です。中でも手先を細かく動かす必要のある「書く(描く)」という動作は、大人が思っている以上に子どもには難しいでしょう。
当たり前ですが「バランスの悪い字を書こう」と思って書いているわけではなく、頭の中では綺麗なお手本をイメージしても、手の動きがそれに追い付いていないというケースがほとんどです。
また、子ども特有の視野の狭さも字のバランスが崩れる原因のひとつです。
子どもの視野は大人に比べると非常に狭いことが知られています。そのため、視点が局所的になり、字や文章の全体を俯瞰してバランスをとるということが難しいのです。
いずれも成長に伴い徐々にできるようになっていきます。
逆に「怒られすぎて字を書く(勉強をする)のが嫌いになった」ということのないように、読める範囲であれば、多少の字の乱れも許容してあげたほうが、長期的にはメリットがあるでしょう。
ーどうして集中力がないの?
家で宿題を始めたと思ったらすぐに手遊びを始めたり、関係ない話を始めたりする姿にイライラする、というお悩みもよく耳にします。
「集中力がない」とは、大人に比べると「集中できる時間が短い」、または「気が散りやすい」と言い換えられます。
子どもは非常に好奇心旺盛で、視界に入ったものにすぐに興味を持ちます。これは大人との経験値の差でもあるでしょう。大人と比べて経験値が浅いからこそ、何事にも新鮮な気持ちで興味を持てるのは、子どもならではの素晴らしい特性です。興味や好奇心があってこそ、意欲や主体性が芽生えます。
「よそ見しないで集中しなさい!」と叱って好奇心の芽を摘むよりは、最初から他の物が目に入りにくい空間を整えてから宿題に取り組むなど、集中しやすい環境づくりをしてあげられると親も子もストレスが軽減されるかもしれません。
子どもの行動には理由がある
ご紹介したのはごく一部ですが、大人から見た「子どもの困った行動」の多くにはちゃんと理由があります。
「こんなこともできないのはうちの子だけなのでは…」と悩まれていることも、低学年の子どもの共通の特性によるもので、他のご家庭も同じように悩まれている、ということがほとんどです。
とはいえ、お子さまへの愛情があるからこそ思いつめてしまう、というのが親心かと思います。不安を覚えたときには、1人で抱えこまずにご家族、友人などにご相談してください。英進館も相談窓口のひとつになって、保護者様の不安を解決するお手伝いができればとも思っております。
次回の記事では、お悩みケース別に具体的な声掛けの例をご紹介します!
どうぞお楽しみに。