「受験は団体戦」― 代表筒井からのメッセージ ―
受験は団体戦。
そう聞いて、首をかしげる人は多いかも知れませんが、これは、英進館からの久留米附設中合格第一号であり、その後、大学入試でも2回合格し卒業した、英進館代表の筒井俊英が、新小6受験生に送った言葉の一節です。
数々の難関入試をくぐり抜けてきた筒井が語った「受験は団体戦」とはどういう意味なのか。筒井の言葉を引用して説明します。
九州の中学入試において、最難関と言われる学校の一つ、久留米附設中学。英進館からは毎年150名近い合格者を送り出しています。英進館から久留米附設中に挑むのは、主に小6TZクラスの生徒たち。北部九州を中心に約10校舎のTZ生たちが、約150名という合格者数を築き上げています。
毎年、英進館全体ではコンスタントに150名近くが合格しているものの、実は校舎単位で見ると、年度によって合格者数に大きな差が生じています。中には、 ある年は3名だった附設中合格者が、次の年は17名と大躍進を遂げた校舎もあるのです。
では、同じ英進館の同じ校舎で、なぜそれだけの差が生じるのか。
導き出した鍵が「受験は団体戦」でした。
以下は、2024年2月初旬、新小6生となった生徒たちに向けた激励会のなかで筒井が贈った言葉の一部です。
今日、私が皆さんにお伝えしたいのは「必死に努力する人間同士の存在がお互いを成長させる」ということです。
「生徒と教師」「子どもと大人」、それぞれの年齢や立場は関係ありません。同じ空間にいる人間同士が、同じ高い目標に向かって必死に努力すると、その空間にいる人間全員が成長します。生徒同士はもちろん、生徒たちの姿勢に大人である教師たちも刺激を受け、一緒に成長するのです。
みなさんが一年後に臨む本番の入試は、全ての受験生を「合格」と「不合格」に選別する、まだ小学生の皆さんにとっては極めて残酷なものです。
例えば久留米附設中であれば定員は160名。合格発表者数でも220名程度。これに800名以上の受験生が挑むのです。当然ですが、合格できる枠が決まっているので、誰かが合格すれば自分が不合格となる可能性は高まります。
そういう意味では「他の塾の受験生」、あるいは同じ英進館でも「他の校舎の生徒」は、競い合う相手です。相手側の生徒が20人、30人と受かれば、ここにいる皆さんの合格枠はそれだけ減ることになります。
皆さんは、この競争に勝たなければなりません。絶対に負けるわけにはいかないのです。
では、ここにいる「同じ校舎」「同じクラス」の仲間たちはどうでしょうか。競い合う相手でしょうか?いいえ、違います。
ここにいる皆さんは「運命共同体」。
例えるなら、荒波のなかで同じボートに乗って対岸を目指す仲間。互いを鼓舞しながら皆一丸となって力を合わせれば、無事に岸まで全員たどり着くことができますが、皆がバラバラで助け合う事もなく、岸にたどりつく前にボートが転覆してしまえば、全員が海に放り出されてしまいます。
つまり、ここにいる「同じ校舎」「同じクラスの仲間」も、合格するときはみんな合格する。そうでないときはみんな不合格になる。ということです。
どういうことだと思いますか?
答えは「クラスの一体感・空気感」が、皆さんが思っている以上に大事である、ということです。例えば、宿題をやってこない生徒がクラスのなかで1人2人といると、これがクラス内に広がっていきます。
「あの子がやってないなら私もいいかな?」「これだけやってれば僕はギリギリセーフかな?」
この緩んだ空気が2人、3人、4人…と広がっていくと、最終的には全員が宿題をしなくなります。当然、家庭学習の時間も減り、競争相手からも大きく遅れを取っていくことになります。
授業に対する姿勢も同じです。居眠りする生徒、ボーッとしている生徒、まわりにちょっかいを掛ける生徒。もしも皆さんの中にそういう生徒が2~3人でもいると周りの生徒たちの集中力までも落ちていき、学習効果も著しく低下することとなります。
一方で、クラス全員が宿題を完璧にやってきて、授業中も教師の言葉を一秒たりとも聞き逃すまいと、クラス全員が必死に食らいついて解説を聞く。クラス全体にその空気感が充満していれば、全員の集中力やモチベーションはけっして途切れることなく、上昇を続けます。
また、クラスが発する真剣な空気感は、周りの生徒同士のみならず、大人である教師にも伝播します。教師も人間です。生徒の思い・行動が真剣であればあるほど、教師の指導もより一層、真剣で熱の籠もったものになるのです。
直向きに頑張る生徒さんの存在が教師のポテンシャルをも最大限に引き出す、つまり大人である教師とも切磋琢磨する関係=運命共同体なのです。
そして、それらを実現できたクラスでは、入試本番でも次々に生徒たちが合格していくのです。
では、皆さんはどちらを望みますか?
「みんなで合格」「みんなで不合格」。
当然「みんなで合格」です。聞くまでもありません。ではそのためにはどう行動しますか?
「授業態度」「復習」「宿題」「勉強に対する姿勢」を、周りのために、同じクラスの仲間のために真剣になることです。そして、結局はそれが自分のためになるのです。
繰り返しになりますが、入試は残酷です。それまでどんなにふざけた態度をとっていた子でも、入試のあと、いざ「不合格」を突きつけられると泣くんです。大きな声をあげて人目も憚らずに泣くんです。そして、決まってこういうのです。
「あの時、もっと真剣に勉強しておけばよかった」「もっと早くから真面目にやるべきだった」。
そんな言葉を、私は皆さんに言わせたくはありません。だから、入試まで一年足らずとなった今日、皆さんにこの話をしました。受験は「団体戦」です。この言葉を合言葉に、この一年、皆さんで力を合わせて合格を勝ち取りましょう。
受験は団体戦。
この言葉をキーワードに掲げ、今年も英進館生たちは高みを目指して邁進して参ります。
追伸
この記事をアップする直前、嬉しいニュースが飛び込んできました。
激励会後の2月24日に実施された「新小6対象・第3回四谷大塚週テストSコース」で、英進館生が全国1位・2位を獲得しました。この快挙が、さらに良い刺激となってクラス全体が成長していくと確信しています。